「はたらいて笑う」 と 「はたらかせて笑う」
JRの中吊り広告の小さな紙面からはみだしそうな 大男の大笑いが大写しになっているのを見て、ぼくは思わず好意的な笑みを浮かべたに違いない。アップルのファンは たいていの人が大好きな、パーソナルコンピュータの産みの親 スティーブ・ウォズニアクだもの。写真の右下にはWozとサインがある。
いちばん下には「はたらいて、笑おう。」というメッセージがある。ウォズの言葉と思わせようとしているのだろう・・・が、それだけでは 何の広告なのか分からないのだが、となりに対として並んでいる高齢だが 生き生きとした表情のきれいな女の人の写真にも同じメッセージがあることで、それが写真の本人の言葉ではないことが分かる。
小さく「PERSOL」と書かれているロゴがメッセージの発信元らしい。そこで、人材派遣会社の広告なのだろうと感じた。電車は、中吊りの他に壁の広告も、ことごとく同じ二種のポスターで占められていた。
ポスターとしてはおもしろいと思う。しかし、ウォズをこんな広告につかうことを、ぼくは腹立たしく感じた。これをつくった人々は「はたらかせて笑おう」と思っているはずだと感じたからだろう、ぼくは iPhoneを取り出して一枚だけ写真を撮ったが、あとになって それを見ると、前景に吊革を入れて PERSOLの文字を隠していた。
- 2017.05.12 Friday
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- 12:21
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- by 玉井一匡