26頭の犬と1600キロの雪を走る生き方

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     このひとの生きかたは「人は何のために生きるか」という誰もがかかえる問題をゆさぶる。
    4月17日(日曜日)19:00-20:50に時間が変更されて、BS1でドキュメンタリー「BS1スペシャッル 犬と私の1600キロ ユーコンクエスト・極北の大地を行く」が再放映された。
    ぼくは一回目の放映を見逃したので 再放送を待つあいだに、このひとの書いた本を読んだ。

     いま、本多さんは26頭の自分の犬と毎日の生活をともにしている。冬になると犬たちはそりを曵き、本多さんは彼らをはげまし 体調を気遣い長距離レースに挑む。しかしレースの規定の14頭の犬たちをまとめて走らせるのは、容易なことではない。
    自分の犬舎をもつようになるまでは、それにもまして困難が続いた。やっと永住権を得て、友人が 貸してあげると言ってくれた土地は林だったから、自分で重機やチェーンソーをあやつって 一本ずつ木を切り倒して「敷地」をつくり、ログハウスのキットを自分で組み立てて住まいをつくり、切り倒した木をつかって1頭ごとにひとつずつの犬小屋をつくった。

     カナダとアラスカの両国にまたがるユーコン川に沿い、ときに凍った川そのものをコースとするユーコンクエスト(YUKON QUEST)と呼ばれる走行距離1600kmつまり1000マイルのレースを、本多さんは毎年の目標としている。出発点とゴールは、カナダのイエローナイフとアラスカのドーソンシティが、大会ごとに入れ替わる。スタートは3分間隔で出発するが、ゴールの時刻は何時間も あるいは日単位の差ができるから、スタート地点の方がはるかに盛り上がるからなのだ。

    1600kmという距離が、ぼくには実感できないからGoogleマップでしらべてみると、東京駅から鹿児島駅まで高速道路をつかって1356km・・・それでもまだ244km足りないから、少し遠回りしてみる。東京から富山を経由して鹿児島駅に行くと、やっと1628kmだ。


    「知日」

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       ある時代までの何千年ものあいだ、日本の文化文明は、中国で生まれたものはもとより ヨーロッパやインド発祥のものさえ ことごとく中国と朝鮮から入って来た。
       ヨーロッパの人間が直接に持って来た鉄砲とキリスト教が、人を殺す武器と愛を説く宗教という、人と人のかかわりかたの両極だけが わずかな例外だったのは、きわめて象徴的なことかもしれない。
      日本は このふたつをブックエンドにして、その間にさまざまな近・現代の蔵書を並べていったわけだ。

       ふたつ前のエントリーで、BS1のドキュメンタリー番組「わたしたちが日本を好きな理由」について書いたが、そのドキュメンタリーを見て 「知日」という中国の雑誌がどのようにつくられているのか、中国でどのように読まれているのか、それが中国人の日本観をどう変えているかをぼくは知った。
       しかし、この雑誌をぼくが 初めて知ったのは小野寺光子さんのブログ「ONE DAY」のエントリーで 中国の雑誌「知日」(その1)(その2)を読んだときのことだ。

       そこには、彼女の一週間の食事と「知日」に掲載された顛末と内容が たくさんの写真とともに詳しく書かれている。日付を見ると2014年、もう2年前のことだ。雑誌社は どうやって彼女のことを知ったのか、小野寺さんが知日の編集者にメールを送ってたずねたところ、以前に 雑誌「ku:nel」に掲載された同じような記事を読んでいたからだという。彼らは雑誌もブログもよく読んでいるのだ。

       ぼくの先日のエントリーを読んで、小野寺さんが件の「知日」の実物を送ってくださった。「料理の魂」と題する号で、「小野寺家的七日餐」というタイトルで小野田さんのお宅の 春節(旧正月)前の一週間の献立が紹介されている。一冊をまるごと開いて、写真を見ながら 「同文」とはいえなくなった漢字をポツリポツリと拾い読みすると、「知日」の全体像を知ることができた。

       この号の構成については、小野寺さんがブログで すこぶる丁寧に書いていらっしゃるから、わざわざ繰り返す必要がないほどだから、そこに跳んでONE DAYを読んでください。日本の料理の年表や懐石料理の老舗から小山薫堂や「孤独のグルメ」まで、さまざまな切り口をデザインにも全力投球で日本料理を紹介している。
      送ってくださった知日を読んでいるうちに、「知日」の登場は 何千年の日中文化交流として画期的なできごとなのではないかという気がしてきた。
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