「この人から受け継ぐもの」を図書館で借りたけれど、買うことにした。

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    「この人から受け継ぐもの」井上ひさし/岩波書店

     この本のことをaki's STOCKTAKINGで知って、さっそく図書館に予約して読んだ。
    この時代に、なんと惜しい人をぼくたちは奪われたかと、また嘆かずにいられない。

     先週の金曜日にギンレイホールで見た「駆け込み女と駆出し男」という映画は、江戸時代の駆け込み寺を舞台にした物語だが、これが たまたま 井上ひさしの「東慶寺花だより」を原作としている。 男からは勝手に妻を離縁できるが  女から離婚を求めることの出来なかった時代に、わけあって離縁したい女が 駆け込み寺の山門に駆け込んで 寺の修行を2年続けると 離縁できる。男は、その間手を出すことが出来ない・・・不十分とはいえ 女の権利を保障していた。つまり、封建制下の江戸時代でさえ、外界から切り離され独立した自治共同体であるアジールとして認められる寺があったのだ。

     「東慶寺花だより」というタイトルを一見すると のどかな日常を描写する物語のようだが、かならずしもそうではない。ぼくは映画を見たが小説はまだ読んでいないから、ディテールのニュアンは違うだろうが、小説も骨格は変わらないだろう。
     この物語を、「吉里吉里人」「ひょっこりひょうたん島」「ボローニア紀行」などと並べてみると気づくのは、井上ひさしが、自立する小さな国 やコミュニティを終生にわたって考え続けた、あるいは独立する小さな国をつくることによって国家のありようを考え続けた人であるということだ。

     
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