プノンペンの「リセ」と「トゥール スレン」の間
写真を見れば、椰子の木が何かを語らうように並んでいるのをまえに、風通しのいい廊下が庭に開いている。
おおかた 教室では、ひと気のない校庭を横目にながめながら、たいくつな授業の時間をやり過ごそうとしている生徒がいるのだろう。やがて休み時間になると生徒たちは先をきそって廊下に校庭にあふれだす・・・この写真をみると、そんな気配がただよっている。
ここは かつて学校だった。フランス流にリセとよばれたが、1976年に改装がほどこされた。教室の中に1mそこそこの間隔で中空の煉瓦を積み上げて壁をつくり空間を切りわける。教室を区画する壁には廊下に沿って人の通れる程度の開口を穿ち、外廊下の内側に平行してもうひとつの廊下がつくられた。中空の煉瓦には、いうまでもなくモルタルが詰められた・・・それだけでリセは、監獄に変えられた。
- 2015.02.28 Saturday
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- 18:13
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- by 玉井一匡