金曜日の夕刻、首相官邸前に行ってみないか・・・何かが育とうとしている
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われわれの政府が、原発に対する基本姿勢を明らかにしないまま強引に大飯原発の再稼働を決めたことに憤懣やるかたなく、6月22日、29日、7月6日と、3週続けて金曜日の夕暮れ時に首相官邸に行った。
いうまでもなく「@TWITNonukes ツイッター有志による反原発デモ」に参加するためだが、行進することのゆるされないこの「デモ」に、胸に抱えていた憤懣は体中に拡がってフツフツと蠢いている。にもかかわらず、このデモはなかなかいいじゃないかと、ぼくは思いはじめている。
22日、溜池山王駅で地下鉄を降りて秋山さんと首相官邸の前に向かうと、途中ほとんど警備がないのに拍子抜けしたが、やがてそのわけが分かった。官邸は高台だが溜池山王は低地にある。官邸の裏側にはコンクリートの擁壁や石垣がそそり立ち、人間による警備を必要としないのだ。ここは人を寄せつけないという意志をあからさまに城郭を模してつくられている。地形に従ったまでだと設計者は言うだろうが、もっとやさしい表情のデザインがいくらでも考えられるから、おそらくこれは意図的なものだろう。
ホワイトハウスの前には大きな広場がポトマック河まで続いていて、黒人の権利を求めたワシントン大行進のキング牧師による演説「私には夢がある(I have a dream)」がそこで行われた。われらの国会や首相官邸も表側では道路と同じ高さだから擁壁はないかわりに、ひとを寄せつけない壁や装甲車の列があるばかりで、広場などありはしない。
- 2012.07.08 Sunday
- 歴史
- 08:42
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- by 玉井一匡