平成中村座で法界坊

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     平成中村座で「法界坊」:「隅田川続俤」(すみだがわごにちのおもかげ)を観た。
     一昨年は相撲、今年は歌舞伎と、いずれもつよい興味と関心がありながら行ったことがなかったものを初めて観る機会に恵まれた。 平成中村座は、隅田川のほとり待乳山聖天(まつちやましょうでん)と道をはさんだ向かい、野球場と体育館の狭間につくられている。  12年前に勘三郎がまだ勘九郎だったころ小屋掛けの平成中村座をここに立ち上げたのは中村座にゆかりの土地だったからだし、そのときの演し物にこの芝居を選んで、法界坊のなりで浅草の町に出没したのだそうだが、それというのも主人公がこの界隈の住人であるからで、ぼくにとって初めての歌舞伎がこの場所でこの演し物だったのはなんとも幸運なことだった。そのうえ、頃は桜がそろそろおわろうとしているから花びらが風を染めて道にも敷き詰められている。

     ここは隅田川から吉原へとつづく谷中堀が始まるところだが、多くの掘割がそうであるように今では堀は土の下に埋葬されている。待乳山聖天は、舟に揺られて遊里をめざした男たちが隅田川をのぼるときの目標にしていたところだと容易に想像がふくらむが、この芝居の最後の場面三囲(みめぐり)土手の背景の絵は、川向こうから平成中村座のあたりを見た隅田川べりで、桜並木の爛漫のむこうの小高いところに待乳山聖天があって、その脇の橋の下には山谷堀があるという仕掛け。芝居も小屋のまわりもすっかりひとつながりなのだ。

    映画「祝の島(ほうりのしま)」

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      「祝の島(ほうりのしま)」公式ウェブサイトへ


      ドキュメンタリー映画「祝の島(ほうりのしま)」を見た。
      ぼくはmasaさんにさそわれ、masaさんは岩城里江子さんにさそわれ、外堀通り市ヶ谷と飯田橋の間にある神楽サロンに行った。1階のピロティにはAIR STREAMが、この前に見た時よりきれいになっていたし、3階まで階段をのぼりドアを開くと、そこには池田学の「予兆」が飾られていた。ふつうに映画を見せるのとは、ちょっと違う趣向がいろいろとあるのだ。

       山口県 上関町の沖合に浮かぶ祝島(いわいしま)という小さな島に住むひとびとの暮らしを撮ったドキュメンタリーだ。本州と四国と九州が身を寄せ合うようにしている海に、いかにも心地よさそうに浮かぶ島。原発がつくられるところが 例外なくそうであるように、ここも小さな箱に入れて大切にしまっておきたいような美しい海だ。  上関(かみのせき)原発のことをぼくが知ったのは、昨年4月、小出裕章氏の講演をYouTubeで見てのことだ。しかし、500人ほどの住人の大半を老人がしめるこの島では、週に一度、島をめぐるデモを30年もつづけている。 にもかかわらず、映像はそのたたかいの険しさよりも日常のおだやかなくらしを、心やさしいまなざしで伝えている。原発は、どんなひとたちの どういう時間どんな生活を奪ったのか、そして壊しているのかを、おだやかに語る。  監督である纐纈あや(ハナブサ アヤ)さんも10年ほど前にはじめてこの島を訪れたときには、まなじりを決した人たちがスクラムを組むような情景を思い描いていたそうだが、映画を撮る前に半年ほどの間ここに住み込んで島の人々と生活を共にしているうちに、おだやかでユーモラスな、しっかり深く島に根を張ったひとびとの様子を撮ろうと思うようになったというのだ。
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