「LightHouse ライトハウス すくっと明治の灯台64基」:灯台を読む図鑑

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    ライトハウス すくっと明治の灯台64基/撮影 野口毅/解説 藤岡洋保/Banana Books

     数年前に 神楽坂のギャラリーで 灯台を撮った写真の個展が開かれた。それが図鑑のような一冊の本にまとめられたから、図鑑や辞書が好きなぼくは この本がつくられたことがとてもうれしい。
     図鑑といい辞書といい、ある世界を構成するものたちを整然とならべた標本箱のようなものだとぼくは思う。この本には64の灯台が納められているから、縦横をそれぞれ8つに仕切った64個の正方形のマス目に ひとつずつ灯台が並ぶ箱が思い浮かぶ。

     遠く人里をはなれ海の際に立って 崖の上から水平線と対峙して ひとり天を指す灯台は、陸に生活する多くの人々にとっても、心ひかれる建築である。
     とはいえ、ひとびとがそこに集まって住み 生活を楽しみ、まちとともに魅力的な場所をつくることが建築の本領なのだが 灯台にはそれがはなはだ少ない。その意味では社会性にとぼしい建築でありつつ、海を行く船たちの命をあずかっている。

     それぞれの灯台の写真に 歴史や位置 構造やしかけについて解説が添えられているのに加え、巻末では明治期に灯台がつくられた経緯が解説されている。日本地図に書き込まれた灯台の位置を確認しながら読んでゆくと 、じつは灯台そのものが 明治という時代を物語る重要な記録であり、日本が近代と遭遇したさまを語ってくれることがわかる。
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