ブックデザイナー チップ・キッドの話/TED

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     先日、教育テレビの「スーパープレゼンテーション」でチップ・キッド(CHIP KIDD)というひとの話をきいて、唖然とするほどにおもしろかった。
     
      彼はアメリカの出版社 KNOPF のブックデザイナーだが、ぼくはこの人の存在も名前も知らなかった。Wikipediaの英語版には出ているけれど日本語版はないから、知らない人が多いのだろう。
     「スーパープレゼンテーション」という番組TEDから中身を持ってきたにすぎないから、彼の話を聞きくには、卸元であるTEDのウェブサイトの日本語字幕付きを見ればいい。このプレゼンテーションの外題は「Designing books is no laughing matters・・・OK,it is.:笑い事ではないけれど笑える本のデザインの話」(これをクリックすれば見られます)という。


     ひとくちに「おもしろい」といっても 色々のおもしろさがあるものだが、この人の話はさまざまなおもしろさに満ちている。話の導入でいきなり、「何だこいつは?」と思わせて既成概念を消し去って・・・「デザインの原則」をシンプルな表現で示す・・・これまでに彼がかかわったいくつかのブックデザインの過程を説明し結果を示す・・・ ときに原則に従い、時にその裏をかく・・・それを見ているうちに、デザインするということ 意味を伝えるということについて、ぼくたちの手には 物差しがひとつ 手渡されている


    河野英一さんの仕事とMini

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       河野英一さんとフォントのデザインについては、aki's STOCKTAKINGに何度か書かれていた。近いうちに河野英一さんに じかに話をお聞きする機会をつくると秋山さんからうかがって以来、ぼくの好奇心がふくらんで それを待ち遠しく思うようになっていたから、会場の可喜庵から連絡をいただくと すぐさま申し込んだ。河野さんご自身のおだやかな語り口でロンドンの電話帳や地下鉄のフォントがつくられた過程が語られると、aki's STOCKTAKINGに書かれていたことを通じて別々に知ったことが、にわかにひとつのものとして実感をもって思い浮かぶようになった。

       フォントは「デザイン」するものだと思っていたから、河野さんが「フォントを設計する」とおっしゃったのが思いがけず、新鮮に響いた。近頃では自民党の政治家さえ「国家デザイン」などと口にするようになってきて、デザインということばが薄汚れてきているからなおさらだ。フォントのつくりかたによって 電話帳の読みやすさをそこなわないままページ数を減らしたり、コンピューターのディスプレイで見て気持ちよく分かりやすい文字をつくることができるということを指して、河野さんは「フォントを設計する」とおっしゃったのだろう。

       河野さんの最新のフォントCCAアートサンズは、そのウェブサイトからダウンロードすることができる。それには、このフォントを説明するブックレットのPDFが含まれている。その一部に見開き2ページで含まれているのが、上の図である。グレイで描かれている補助線に文字を重ねられているのを見れば、このフォントがどうやって設計されたかがわかるのだ。ぼくは、ダウンロードするとさっそくレターヘッドと名刺の文字をこのCCAアートサンズにした。ぼくは、躊躇しながらその名刺を河野さんにお渡しすると、このフォントが使われたのを初めて見ましたとおっしゃるやさしい人なのだ。

      シェーズロング LC4とTOKYO

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         目黒区立美術館の「シャルロット・ペリアンと日本」展とペリアンの自伝のことを書きかけているうちに、ふたつの椅子のことが気になってしまった。
         LC4というのはル・コルビュジェの頭文字に「4」を加えたものであることはすぐにわかるけれど、この椅子のデザインはコルビュジェだけではなく、生涯にわたる仕事のパートナーだったピエール・ジャンヌレと、家具デザインの担当だったシャルロット・ペリアンの3名による協同としているところを見れば、コルビュジェはそういう点でフェアであるし、ペリアンを高く買っていたことがわかる。彼女がコルビュジェ アトリエに入ったのが1927年で、翌年の1928年にはもう担当したLC4が発表されている。
        この椅子のことを指して、ぼくたちは「シェーズロング」ということが多いけれど、wikipediaで「chaise longue」の項目を開いてみるとLC4の写真はないし大部分の写真が裸のマハが横たわっているような椅子ばかりだから、それは「長椅子」という一般名称なのだ。別の言い方をすればLC4はそういう寝椅子というスタイルの延長上に装飾を排し鉄と布と皮でつくってみせた革命的なデザインであって、それ以外のchaise longueとは次元がちがうものであることを物語るのかもしれない。
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