「原発危機と東大話法」
原発危機と東大話法/安富歩/明石書店
先週の「朝まで生テレビ」を録画しておいたのを見て、この本について書きかけだったことを思い出した。ここで批判されている4人のうちの1人である池田信夫という人物が番組に出て、腹立たしい発言をしていたからだ。原発擁護派による発言の大部分は、政府の対応のまずさや、相手の言葉じりを批判することに終始している。
そもそも、人間のすることである以上、事故の対応をどこかで間違えるのは避けようのないことであり、その結果がはかりしれず大きく深い被害を招くものであるからこそ原発そのものをやめるべきだという自明の論理から、ひたすら離れようとしているのだ。
読後感が痛快このうえない。これまで原発を育て、これからも護ってゆこうとする人々を、その言い方の中に欺瞞が潜んでいることを指摘して真っ向から明快に批判する。
数ある人物の中から、批判の対象としてとりあげるのは以下の4人・・・原子力発電を安全であると主張し、危険性を指摘する人を見下すようにしてきた大橋弘忠、半生をかけて原発の危険性を指摘し続けた小出裕章氏を揶揄した精神科医香山リカ、事故が起きた後に大丈夫だ大したことはないとNHKで言い続けた原子力工学の研究者関村直人、原発は危険ではあるが、やはり必要であり安全に運用して行かなければならないと主張する経済学者池田信夫の四氏である。
こういう役割を果たしている人物は数かぎりなく、原子力基本法という源にまで遡れば政治家・財界人・マスコミ・学者・・・あれもこれもといくらでも思い浮かぶけれど、その中からこの4人に絞り込んでいる。池田信夫という名は、この本を読むまで知らなかった人物だ。
こういう人々の論理の組み立てかたを「東大話法」規則として20項目にまとめ、それに則って彼らの典型的な主張を具体的に批判してゆくのだが、この「東大話法規則」がなによりこの本の主張を理解させる。
*「東大話法規則」20項目は、wikipediaにすべて挙げられている。
先週の「朝まで生テレビ」を録画しておいたのを見て、この本について書きかけだったことを思い出した。ここで批判されている4人のうちの1人である池田信夫という人物が番組に出て、腹立たしい発言をしていたからだ。原発擁護派による発言の大部分は、政府の対応のまずさや、相手の言葉じりを批判することに終始している。
そもそも、人間のすることである以上、事故の対応をどこかで間違えるのは避けようのないことであり、その結果がはかりしれず大きく深い被害を招くものであるからこそ原発そのものをやめるべきだという自明の論理から、ひたすら離れようとしているのだ。
読後感が痛快このうえない。これまで原発を育て、これからも護ってゆこうとする人々を、その言い方の中に欺瞞が潜んでいることを指摘して真っ向から明快に批判する。
数ある人物の中から、批判の対象としてとりあげるのは以下の4人・・・原子力発電を安全であると主張し、危険性を指摘する人を見下すようにしてきた大橋弘忠、半生をかけて原発の危険性を指摘し続けた小出裕章氏を揶揄した精神科医香山リカ、事故が起きた後に大丈夫だ大したことはないとNHKで言い続けた原子力工学の研究者関村直人、原発は危険ではあるが、やはり必要であり安全に運用して行かなければならないと主張する経済学者池田信夫の四氏である。
こういう役割を果たしている人物は数かぎりなく、原子力基本法という源にまで遡れば政治家・財界人・マスコミ・学者・・・あれもこれもといくらでも思い浮かぶけれど、その中からこの4人に絞り込んでいる。池田信夫という名は、この本を読むまで知らなかった人物だ。
こういう人々の論理の組み立てかたを「東大話法」規則として20項目にまとめ、それに則って彼らの典型的な主張を具体的に批判してゆくのだが、この「東大話法規則」がなによりこの本の主張を理解させる。
*「東大話法規則」20項目は、wikipediaにすべて挙げられている。
- 2012.10.08 Monday
- 原発
- 05:39
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- by 玉井一匡