森達也の小説「千代田区一番一号のラビリンス」
ネットメディアのデモクラシータイムズに、新刊書の著者を招き 鈴木耕がインタビューする「著者に聞く!」という番組がある。
そこにゲストとして森達也を招いて、小説「千代田区一番一号のラビリンス」を取り上げている。明仁天皇夫妻を主人公にした物語で、自分では なかなか面白いと思っているのだが 新聞・雑誌などマスメディアの書評は一向に取り上げてくれないと、はなはだ不服そうに著者は語っている。
話の冒頭を少し聞いているうちに、ぼくは この本を ぜひ読みたいと思ったので、二人がストーリーについて踏み込んだ話をはじめる前に YouTubeの対談を途中で切ることにした。
本を読むと、たしかに さまざまな意味で とても面白い・・・物語として、社会についての問題提起として、着眼としても、そして 天皇夫妻を描いたということも・・・森達也の不満はもっともだ。
しかし 彼は、マスメディアがこの本を取り上げることに臆病であることなど覚悟の上で書いたに違いない。なにしろ この小説は 天皇を描くとともに、天皇について論じることを過剰に恐れるマスメディアを描いているのだから。
小説を読み終わると ぼくはふたたびYouTubeを開いて、対談「著者に聞く 千代田区一番1号のラビリンス」を最後まで見なおした。
- 2022.11.21 Monday
- BOOK
- 23:20
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- by 玉井一匡