ルー

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     先週の金曜日、ぼくの叔母の家で うちの娘たちが枕をならべて寝入っていた。

     真夜中、枕元に寝ていたルーが 起きるなり部屋を飛び出し、なにやら緊迫した気配と物音に目を覚ました長女が、慌てて廊下にいってみると ルーは前足でネズミをおさえている。

     ネズミをくわえて食べそうになったので、あわてて首輪をとって引き離した・・・翌朝ぼくは、ことの次第をLINEで知った。

     

     ルーは、ひと月あまり前に長女がひきとった犬、獣医さんたちによれば2〜4才くらいらしい。

     やってきて二・三日で、あきれるほど彼女になついた。留守番させて近くに買いものに行き 帰ってくると、クルクルクルと回り あらん限りの力で尻尾を振り、手といわず顔と言わず ペロペロと舐めて、まるで何年も離れていたのが生還したような喜びようだ。

     

     長女に対する愛情は別格だが、すこぶる人なつっこいから 来るひと誰もが可愛がってくれる。ぼくがソファで寝ていると、足もとに置いた毛布の上で眠っているが、目を覚ましたと知るや横にやって来て左手を挙げ 腕をつつく。頭や喉をなでたり首をかかえたりしてやるとうれしそうにしているが、やめると また左の前足で催促する。数分ほど そうやっているうちに、こちらも目が覚めて、彼女も満足する。

     

     そういう女の子がネズミに遭遇するや、にわかに野生に戻ったように、俊敏で攻撃的な肉食動物になったものだから、娘たちは驚いた。ぼくはそれを聞いて 驚く以上に ますます気に入った。


    オフグリッド太陽光発電のワークショップ:ブラックボックスの効用

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       「今度の土曜日に、藤野電力というところが主催する オフグリッドの太陽光発電のワークショップに行くんだが、きみも行かないか」と秋山さんに訊ねられた。

       ぼくはすぐに好奇心がふくらんで 行きたいと即答したが、恥ずかしながら「オフグリッド」とは初めて聞くことばだった。

       

       とはいえ、太陽光で発電した電氣を電力会社に売らずに、そのまま自分で使うのだろうくらいの想像はできる。組織に拘束されず 独立のシステムをつくれるという爽快感もある。

       オフグリッド太陽光発電とは何か、どう組み立てるのかを知るには、よくできたワークショップだったと思う。

       

       中央本線高尾駅から各駅に乗りかえて2つ目の藤野駅で降りる。道を4〜5分下ると視界が開けた。快晴の相模湖のほとり、橋のたもと、雑然とした駐車場の奥にある倉庫にすぎないようだが、藤野電力の背後には相模川ー相模湖が広がっている・・・巨大な壁をつくって水を貯め、それを落とした勢いで発電するのを尻目に、薄いパネルで電氣ができるのだ。

       


      映画「タクシー運転手」

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         「タクシー運転手」がギンレイホールに来た。

         

         「日本は、これからあんな風になっちゃうのだろうかと思うけれど、ぜひ観てほしい」と 悲観的にすすめられたが、ぼくは むしろ映画に勇気づけられた。

         

         こんな軍事政権に支配されていた韓国が、40年足らずで 現在のような経済状況と自由を手にしたのだから。

         

         1980年5月、東京からソウルにやってきたドイツ人カメラマンを、彼が何者かも知らず、光州で何が起きているかも知らず、ただ長距離の上客と思いこんで金浦空港から光州まで車を飛ばしたタクシー運転手が、やっとのことでたどり着くと、軍隊が丸腰の市民を相手に銃撃している。

         

         さながらサイコロを転がすように、たまたま拾った客の求めるままに行き先が決められるタクシー運転手。そうした人物が主人公であることによって、ぼくたちも 日常生活に追われる平凡な市民になって歴史の渦に巻き込まれてゆく。

         だが、これはフィクションではない、 実在したドイツ人カメラマンと韓国人タクシー運転手の出会いをもとにしたものだ。だからこそぼくたちは引き込まれる。


        「君たちはどう生きるか」

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           おくればせながら「君たちはどう生きるか」を読んだ。

           はじめは なかなか物語に入り込めないのだが、やがて、車中で読みふけって電車を乗り過ごしてしまうほどに熱中して 2日あまりで読み終えた。

           

           宮崎駿が、もう長編はつくらないという宣言をひるがえした時には驚いた。

           もうつくらないと言って、しばらくするとつくりたくなるというのは、これまでにもあったことだが、「君たちはどう生きるか」と大上段に構える説教臭いタイトルに驚いたのだ。

           

           しかし、その原作が吉野源三郎のあの本で、すでに マガジンハウスから出ている漫画挿絵入りの小説は  いずれもベストセラーになったときいて 興味津々になった。

           岩波を代表する人物である吉野が書いたこの本の存在を知っていても、読もうとしたことすらなかった。

           

           やがて娘が買って来て読んでいたから、終わったら貸してくれることになっていたのに、どうも失くしたようで、だからといって買い直す気にはならないのも分かるから、プレゼントした。ぼくの魂胆は娘も分かっているから、先に読んでいいと言うので、ぼくが先に読むことにした。


          GO VOTE・・・新潟県と中野区の首長選挙

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             今日は、中野区の区長と新潟県の知事を選ぶ選挙の投票日だ。

            中野区はぼくの住むところだし、新潟県には実家があって、いずれも他人事ではない。

             

             自公明の推す候補は、いまの世の中を劣化させている安倍モデルを踏襲しようしている。

             新潟県では東電の柏崎原発を再開しようとしている人物を推す。経団連の会長にイギリスの原発をつくろうとしている日立の代表が就任し、三菱重工の社長は原発に力を入れると発言し、世界とは逆の方向に舵をとって歩調を合わせる狂気の沙汰。

             中野区では、オリンピックのために旧刑務所の樹木を伐採してしまったし、サンプラザを壊してアリーナに建て替えようとする4期目の現職。

             

             野党が連合して推す首長候補は、いずれも、地方公務員の出身で、先日、中野駅前に枝野幸男・長妻昭が候補者の応援に来たとに聴衆の掲げたオレンジ色のメッセージボードが印象的だった。

             

             一方は、生活環境を劣化させるが金を落とすことを売りものにして、他方は市民の生活をよりよくするよう政治のありかたそのものを作り直そうと訴えるのだから、両者の次元は離れている。

             マスメディアも政治家も口にすることができない禁句だが、このありさまを招いたのは、有権者が投票せず考えもせずに投票する・・・愚かだからだ。

             

             メッセージボードは、それをおだやかに「GO VOTE 試されているのは有権者だ」と訴える。


            Corazon Loco:イニエスタのワイン

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               一昨日、よき日を祝うために近くのスーパーマーケットに行って、この白ワインを一本買ってきた。

               

               なにしろ「日本と日本の人たちが好きだから、国民の一部になりたい」なんて泣かせることを言ったイニエスタが 正式にJリーグのヴィッセル神戸と契約を交わした日なのだ。

               国民や国のことなど考えもしないこんな首相と 情けない政府が支配する国だというのに、そんなことを言ってくれるいいやつ。

               

               しかも イニエスタは、バルサの若い選手に機会を与えたいとチームを退き、バルサとは闘いたくないから アジアのチームに行きたいと言ったそうだ。東京でなく神戸に住むほうが家族も気持ちよい生活ができるだろうし 長く日本に腰をすえてほしい。

               

               ヴィッセル神戸は、ただの商売や気まぐれでイニエスタを獲ったわけではない。

              三浦淳寛をスポーツディレクターにすえて本気でチーム改革をしようとしているという記事が 先日、Numberに掲載されたばかりだ。

               イニエスタは、契約時の会見で「三木谷さんと三浦さんに感謝する」と言ったくらいだし、ワールドカップに優勝する前からドイツ代表チームでフィジカルコーチをしていた咲花正弥をコーチに迎えていた。(「ヴィッセルが進めるバルサ化とは」/NumberWeb

               

               ぼくが料理用でなくアルコールを買うことは 滅多にないが、去年のバレンタインデーの頃に 事務所の近くのスーパーに、イニエスタのワイナリーでつくられたワインが置かれていることを知り さっそく行って 赤白一本ずつ買った。それがなくなってから買い足していなかった。

               

               こんどは、赤と白に加えてロゼもあった。しかし、白だけデザインがかっこいい。ハート型にラベルを切り抜いてあって そこから瓶の中身と背中のラベルの裏側が見えるのだ。

               中身には大きな関心があるわけではないぼくは 白を一本だけ買ってきた。かつて、イニエスタがワイナリーを持っていると聞いたときには、もともとあったワイナリーを買収したということなのだろうと思ったのだが、ウェブサイトを見ると工場の設備も施設も新しいようだし、どうも田舎の小さな村に新たにつくったらしい。ワイナリーのウェブサイトを開くと、工場も葡萄畑も動画で見ることができる(BODEGA INIESTA

               


              方尺の春

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                 毎年3月3日に、ぼくは ばらちらしをつくる。

                 つくると言っても、自分の手でつくるのは干し椎茸を甘辛く煮たり 海老や菜の花をゆでたり卵焼きを焼くことと、寿司酢をつくって飯に和えるくらいのものだ。

                 

                 あとはさまざまな魚介と野菜を買ってきて、出し汁や 酒と醤油とわさびにくぐらせて薄く味をつけ、寿司桶にひろげた酢飯の上に散らすだけのことだ。

                今年は娘が寿司飯をつくった。

                 

                 さして手をかける訳でないにもかかわらず、ぼくをすこぶる楽しい気分にしてくれるのは、春の野を切り取ってきて 木の筺の中に生けるように感じるからなのだ。

                そういえば、去年は 食べてから数日が過ぎて「方尺の春」だなと思ったのだが、今年も ひな祭りから数日たって、ぼくは去年の『方尺の春」という言葉を思い出した。


                ETV特集「長すぎた入院 精神医療・知られざる実態」

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                   先週末の夜おそく、もう寝ようとしていたとき、自宅のハードディスクに「ETV特集・長すぎた入院」という番組が残されているのに気づいた。

                   冒頭だけのつもりで見はじめたが やめられなくなって 1時間のドキュメンタリーを最後まで見てしまった。

                  ぼくたちの国でまたひとつ、かくも理不尽なことが行われていることに対する腹立たしさが、 眠気をすっかり吹き飛ばした。

                   

                   冒頭から登場する主人公 「時男さん」は、39年間も精神病院に入院させられて 退院することができなかった。歩くことも話すことも考えることも、ひとの気持ちを推し量り思いやることもできるおだやかな人が、意志に反して病院から出してもらえなかった。

                   

                   しかし、そこは 福島第一原発の近くに5つあった精神病院のひとつだった。

                   原発から5km圏内にあったために、患者たちは病院を出て避難することになった。転院先の病院で診察をうけたところ、時男さんのいた病院の患者40人のうち、2人を除き 他の患者は入院の必要がない、むしろ家庭に帰って生活する方がいいのだと医師が説明する。

                   

                   長いあいだ 願っていた退院が、思いがけない事故によって実現した。時男さんは、「オレの、これまでの39年をどうしてくれるんだ」と言ってかつて入院させられていた病院の医師の胸ぐらをつかんで殴り飛ばすくらいの権利はあるがそんなことはしない。

                   彼は、ひとびとの責任を追及するよりも、40年ぶりに戻った自由を 胸に深く吸い込み、自動販売機で切符を買うことや、ATMをつかうこと カラオケで歌うことによって それを実感するのだが、それでも退院できなかった理由を探そうとする。


                  水と油と神楽坂

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                     先日、外出からもどってくると 机の上にコピーが1枚載っていた。

                    神楽坂 清水流るゝ ■かな 紅葉」と、毛筆で一句書かれている。

                     この字は なんて読むんだろうと、ギンレイホールの加藤さんが置いていらしたという。

                     

                     ぼくは こんな漢字を見たこともないし、そもそも この崩し文字を読み取ることがあやしい。

                     MacBookの文字パレットを開いて「部首検索」で探すと、出てきたのは「膩」という漢字だった。

                    音読みは「じ」訓読みは「あぶら」。

                     

                     神楽坂 清水流るる あぶらかな

                     

                     ということになるが、なぜ「あぶら」なのか?

                    「『膩』という字らしいが、澄んだ水に油が浮いて虹が流れてゆくということでしょうか」と、加藤さんにショートメールを送った。 


                    新年おめでとうございます

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                      新年おめでとうございます

                       

                      今年もよろしくお願いします

                       

                       WEB年賀状は、文字通り元旦に送信してすぐに届くことが気に入っていたのですが、今年は、私事で ことのほか作業が遅れ、正月三日に送信することになりました。「一陽来復 六合遍く昭か」と、読むつもりです。

                       シルエットの戌の右にいるのは申、一昨年の賀状につかった「くくり猿」です。

                      申しあげるまでもなく犬猿の仲の者たちが他者を認め合って共生するほかに人類の未来はないとは、心あるひとびと だれもが思い願うことでしょう。

                       

                       年号を西暦でなく平成にしたのは、独裁と軍備につき進もうとしそうな われわれの行政府に対して、明仁天皇が 憲法の定める矩の中で できるかぎりの力をつくされた30年へのささやな感謝と敬愛のしるしです。

                      30を「参拾」と書くと、「参」は戦地へのお参りを「拾」は ひとびとの思いを拾いあげることが目に浮かびます。

                       


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